ミノとハラミ

もろもろ忘れがちなオタクがのちのち己を振り返るために悪あがきでつけている備忘録

キスマイのトークでずっとムカついていることがある

っていう話をします。


これは今年の静岡公演で男性ファンに対して「同性愛ってこと!?」と言って笑いをとろうとしていた件を受けてのツイートだけど、別に今に始まったことではない。キスマイ担に、北山担になってからずっと引っかかってるし、ずっと怒ってるしずっと失望してる。

男性ファン=同性愛に直結する思考回路の単純さがまずおめでたいし(同性愛とは限りません)、もし冗談のつもりで口にしているならセンスがクソオブクソだから今すぐ改めてほしい(同性愛だったら何か悪いことでもあるんですか?)。
ジャニーズの男性アイドルが、基本的にヘテロの文脈で女性を相手に仕事をしていることは承知しています。それでも、男性アイドルを相手に疑似恋愛している男性ファンがいたっていいし、逆に恋愛感情を抜きに男性アイドルを応援している女性ファンがいたっていい*1。もちろん、恋愛感情を抜きに男性アイドルを応援している男性ファンがいても当然のことです。それらの姿勢や態度はファンに許された自由です。だいたい、疑似恋愛だけを想定していたら、君たちアイドルの大好きな「ママに連れてこられたちびっこ」や「孫をかわいがるような目で見てくれるおばあちゃん」はどうなるの?
……というようなことを言うと、「いやいや屁理屈でしょ、いろんなファンがいることはわかってるけど、全てを例示して個別対応なんてしてられませんから」と返ってくるかもしれません。もちろん、一度に大勢の人間とコミュニケーションを取るにあたって、目に見える相手の属性を根拠にある程度カテゴライズして、集合体と見なして対処せざるを得ない場面があるのはわかります。ファンのほうだってそれを承知で、アイドルの望むファン像を演じるくらいのことはできます。でも、そういうふうにざっくりまとめて貼るにはふさわしくないレッテルだってある。他人のセクシュアリティを決めてかかることも、それを嘲笑することも、ステージの上でやっていいはずがない。前述の通り、男性ファンがみんな同性愛者だと本気で思ってるならあまりにもおめでたいし、逆にそんなわけがないと決め込んで冗談のつもりで口にしているならなおさら悪い、ギャグセンスもコモンセンスもない。どの口が国民的アイドルになりたいなんて言うんだよ。

わたしは確かにアイドルのことが大好きだけど、わたしとアイドルの関わり方を、アイドルの側から一方的に決めてもらいたくはありません。ジェンダーセクシュアリティ、その他あらゆる属性にかかわらず、ファン一人ひとりにアイドルとの関わり方、向き合い方がある。それらを尊重してほしい。会場に1人のアイドルと1万人のファンがいたら、そこには1対1万の関係じゃなく、1対1の関係が1万通り存在するんです。実際に1万通りの対応をしろって言ってるんじゃない。ただ、リア恋タイプに見える女の子のファンに甘いセリフを囁く時も、いかにも連れてこられたお父さん風の男性をイジる時も、常にそのことを頭の片隅に置いておいてほしいだけ。

ホモフォビア的な発言は特に、比較的声の大きな北山くん二階堂くん千賀くんあたりが無頓着に垂れ流しがちで*2、たまにやんわりフォローを(彼らに対してではなく場をとりなす方向で)入れてくれるのが宮田くんなんですが、宮田くんでも他の子でも、気づいているメンバーがいるならもっと強く出ていい、出るべきだと思う。
宮田くんは以前Myojoの1万字インタビュー*3で、「キスマイの笑いは誰かを傷つけている。それはキスマイの弱点かもしれない。だから最近は意識している」という趣旨のことを話していた*4。彼はキスマイの笑いのために自身がイジられる役割を担ってきたし、あとはオタクカルチャーの中にいると、ジェンダーセクシュアリティの問題にも必ず出くわすと思うんだよね。だからキスマイの笑いの持つ攻撃性に最も敏感なんだろうけど、一方で「平和主義者で争いごとは嫌い。ぶつかりあうのはイヤ。揉めたり喧嘩したりして生まれるものもあるのかもしれないけど、お互いがそんな気持ちになるのは悲しいだけだから、『それってどうなの?』『こうすべき』と攻めていくようなことはしたくない*5」人でもあるわけです。でもさあ、君らが内輪で揉めて傷つくことより、君らが何万人を傷つけるかもしれないことのほうがよっぽどおおごとだよ。キスマイってそういう立場じゃないですか既に。外から言われる前に、内から変わってほしいなあ。

わたしが(おそらく)人並み以上にムカついているのは、わたしが北山担だからです。よりにもよって、MCであり最年長であり、グループのスポークスマンの役割を務めることも多い彼が、この点において最も軽率だから。昭和の男と呼ばれて久しい北山くんだけど、彼が早急に平成へアップデートしなければならないものがあるとすれば、唯一このへんの感覚だと思う。メンバーのいる場ならまだいいよ。でも北山くんは、一人で外へ出ていって喋りたい人、それどころか、あらゆるバックボーンを持つ人々からトークを引き出す立場になりたい人なんでしょう? 外じゃ誰もフォローしてくれないよ。
他者を軽率に揶揄すること、あるいは執拗に攻撃することで笑いをとろうとする姿勢は、他の美点でカバーできる欠点だとはわたしは思わない。「短所も裏を返せば長所」みたいな類のものじゃなく、わたしにとっては絶対的に嫌悪と軽蔑の対象で、だけどわたしは北山くんという人そのもののことは天地がひっくり返っても憎めないので、アンビバレンツでずっとしんどい。いつか彼から降りる日が来るとすれば、多分このへんがトリガーだと思っています。やだやだ降りたくない、わたしはあなたを尊敬していたいんだよ。頼むからこれ以上がっかりさせないでくれ。

*1:セクシュアリティにかかわらず。恋愛対象が男性であっても、男性アイドルをそういうつもりで見ていない人はいくらでもいるでしょう

*2:キスマイが千賀くんにオネエキャラをやらせようとしているのが、この問題を一層めんどくさくしている……

*3:2016年8月号

*4:ジャニーズWESTの淳太くんと二人で食事をした際に、彼が「誰も傷つけない笑いをとらなきゃダメだと思ってる」と話すのを聞いて気づいたとのこと

*5:今年のツアーパンフレットより要約

Kis-My-Ft2 LIVE TOUR 2017 MUSIC COLOSSEUM 新潟・静岡雑感

新潟初日と2日目昼、そして静岡2日目の昼夜、計4公演を観てきました。
実に4年ぶりのアリーナツアーです。前回13年の『Goodいくぜ!』がわたし(と近しい友人)には全然グーッとこなくて、わたしらだけかと思いきや、冬に仕切り直しのドームライブが行われて映像作品としてはそっちがメインで残ったので(アリーナのほうはダイジェストが同梱)、あっ多数派だったのかな……と察した。
翌14年以降は4大ドームツアーになると同時に、メンバーによるセルフプロデュースが始まる。1年目は3日間だった東京ドームが2年目には4日間に、埋まりにくかったナゴヤドームが3年目には満員御礼と、着実に成長を重ねてきました。で、デビュー5周年を経て、ここで再びのアリーナ。
初めに断っておくと、わたしはドームコンサートが好きです。キスマイは特に、この3年で派手な特効やフライングや舞台装置を次々に披露しては自分たちのツアーの目玉にしてきたし、何よりも彼らの武器であるローラースケートが、会場の広さを感じさせない、テンポよく疾走感のあるライブを実現してくれるおかげで、ジャニーズ随一の「ドームが似合うグループ」になりつつあると思っている。ファンの規模さえ追いつけば、どんどん大きな会場でやってほしい。


……くらいのことは思っていたので、そもそもアリーナツアーである時点で、期待値のハードルをガッシャーンと下げて臨んだ今年の初日だった。何しろスタンドのない朱鷺メッセは埋もれ必至。あらかじめそういうものだと割り切っていた分、埋もれようが柱が邪魔だろうが自担が見えなかろうが、結果的にストレスはさほど感じませんでした*1。むしろ、ドーム派のわたしでもアリーナコンにはアリーナコンの楽しみ方があると実感できる、いい構成だったと思う。「常に全てがよく見える席」なんてないけど、それでもなるべく公平に見せ場を提供しようという配慮が感じられた。久々の小さなハコでファンとの一体感を重視しながらも、大きなハコで磨いてきたショウアップへの挑戦を決して捨てていないところが嬉しかったな。ただ、アリーナってドームに比べて会場の形状にばらつきがあるので、ツアーを通じて常に空間をうまく使うのって難しいんだろうな……。少なくとも朱鷺メッセは360°ステージに向いたハコじゃなくて、それが初日っていうのはやりにくそうだった。
あとは前回のアリーナでグーッとこなかったの、主にシングルの使い方が雑だったり曲と衣装がちぐはぐだったりで誰の意志も感じられなかった点なんだけど(コンサートにしろCDにしろ、作る体制が今と比べてお仕着せだったんだろうな……)、そこが大幅に改善されていたのも嬉しかった。「アルバムの取材で、コンサートもアルバム通りの曲順がいいんじゃないかとよく言われた」とツアーのパンフレットで話していたけど、比較的それに近いセットリストだったように思う。順序そのものというより、似たテイストの曲を固めてセクションを作っていく構成が。ツアーのほうは新曲で作った骨組みに既存曲をうまいこと肉付けしていった感じ。過去のドームツアーの中では、明確にセクションが分かれていた初年の『Kis-My-Journey』が最も近い作りじゃないだろうか。セットリストは後述。

その『Kis-My-Journey』から始まったメンバーによるセルフプロデュースは、基本的に分業制だった。振付はダンスの得意な千賀くんが主導、大喜利の構成は宮田くんが考えて、衣装は玉森くん・藤ヶ谷くん・横尾さんが中心。16年の『I SCREAM』は藤ヶ谷くんが忙しかったのだろう、衣装を主に玉森くんが担当し、横尾さんはツアーグッズのほうに多くのアイデアを出してくれたようだった(グッズも年々よくなってるよね)。そして、コンサート全体の演出を担ってきたのは北山くんと二階堂くん。年によって進め方に差はあったみたいだけど(14年は二人が作ったベースに他のメンバーが意見を加え、一方15年の『KIS-MY-WORLD』は二人のアイデアほぼそのままゴー、みたいな話をしていた気がする*2)、北山担のわたしにとっては、自担が年々プロデューサーというかプレイングマネジャーの顔つきになっていくのを見守る3年間でもあった。
翻って今年のコンサートは「全員で考えた」のだという。7人もいて「全員で考える」というのは、きれいごとのように聞こえなくもないし、単純に作業効率が心配にもなる。でも、今回はアルバムの構成からしてそこにこだわっている印象があった。RO69のアルバムレビューにもこんなくだりがありました*3

基本の14曲に加え、通常盤にのみボーナストラック“Baby Love”、及び北山、藤ヶ谷、玉森のソロ曲が追加されている。しかし、前作『I SCREAM』では7人全員のソロ曲があったのと比較しても今回はソロ曲の印象がかなり薄いし、ユニット曲が本編に1曲も収録されていないのも特徴だ。つまり、『MUSIC COLOSSEUM』は7人を「分散」させる方向の楽曲は意図的に排除されている印象なのだ。その代わり本作で特筆すべきは、7人がそれぞれ1曲づつ、プロデューサーとして選曲、歌詞、アレンジ、歌割まで全面参加した点だ。しかも彼らのプロデュースは個々のキャラクターや特徴を生かして差別化を図るのではなく、「キスマイとは」という命題に向けて7人が互いの個性をすり合わせ、答え合わせしていく、言わば「集約」、「結束」型の仕事になっているのが本作の強みだ。

http://ro69.jp/news/detail/160170

実際、通常盤のみ収録の4曲はコンサートでも歌われず(キスマイがアルバムツアーで該当アルバムの収録曲をセットリストから外すことは非常に珍しい。これまではボーナストラックも例外ではなかった)、『Sha la la☆Summer Time』収録のユニット曲もいまだ封印されたまま、舞祭組すら2公演目以降はカットされたので*4、ソロもユニットもなく、7人がほとんど出ずっぱり。だからステージ上での着替えを演出に組み込んだり、あるいは堂々と「今から着替えます」と言って順番に捌けたりするはめになるんだけどw、キスマイって他のグループに比べてそういう隙間が少なかったんだな、と改めて気づかされた。キスマイのコンサートは場面転換が速い。ソロ曲やユニット曲の採用にプラスして、ローラースケートをうまく使えば、「移動するため(だけ)の時間」が最小限で済む。
ドームの花道を爆速で突っ切っていくのが近年のキスマイらしさだったけど、今年はせっかく距離が近いんだからなるべく丁寧に回ろう、どの席でも何かしらの楽しみが得られるようにしよう、というメンバーの意思がそこかしこに感じられた。加えて前述の引用にもあるように、7人の強い個性をバラバラに見せるよりも、それらをすりあわせ結束してキスマイというグループを表現するアルバムとツアーになっていると思う。

今年こうなったのは必然じゃないかなあ。何度か書いたことあるけど、14年にまずは藤北が『FIRE!!!』で成功を収めた後、翌15年には全員が2人組のユニットを組んでセルフプロデュースして、さらに16年は全員がソロ曲を制作して……と、段階を踏んでメンバー個々の魅力、個性の違いを強くアピールしてきたのがドームツアーの3年間だった。昨年の『I SCREAM』はその完成形だ。折しもデビュー5周年、2016年の夏に、キスマイのライブ活動はおそらくひとつの区切りを迎えたのだと思う。舞祭組の誕生が2013年の暮れだったことを考えても、メンバー間の格差を一度オープンにしてみせてから、7人の粒の大きさを揃えていく期間だったのかなあと、今となってはそんな気がする。
実はキスマイの初日を迎えるちょうど1週間前、セクゾンのコンサートを久し振りに観て、ああようやく5人組になったんだ、バランスのとれた美しい5人組のコンサートだってしみじみ感じたんだけど、今年のキスマイからも、7人組というフォーメーションの美しさ、共同体としてのたくましさをひしひしと感じました。

つーわけでコンサート自体は予想以上に面白かったんですが、MCはそろそろどうにかしてくれよって憤ってるポイントがあるので追って別の記事で書く。続きではセトリに沿った話を少しだけ。

*1:複数回入るから言えることではある。そしてやっぱり最もノーストレスだったのはアリーナ席ではなく、静岡エコパのスタンド前列

*2:15年はツアーの準備にかけられる時間が極端に少なかった印象。案の定、初日はいつにも増してゲネプロだった

*3:そもそもアルバムのレビュー記事を書いてもらえたのが久々だと思う。粉川さんありがとう……

*4:かなり大きな決断だったと思う。結成以降、彼らはキスマイのツアーにおいて唯一無二の存在感を放ってきたし、『道しるべ』はまだコンサートで披露したことのない今年の新曲だった

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Kis-My-Ft2の2016年のリリースを振り返る

16th single『Gravity』(2016.3.16)

Gravity

Gravity

MARSの主題歌だということをたまに忘れる。いや……ドラマはフレンズの印象が強くて……。
MV監督は、当時ちょうど真田丸のオープニングタイトルが話題になっていたVFXの名手・新宮良平さん*1。振付はs**t kingz。MVも振付も、タイトルの「Gravity」=「重力」を可視化するというコンセプトがしっかりしていてよかった。
こういうスタイリッシュなダンス曲は『Kiss魂』以来、とメンバーも口々に話していた通り*2、Kiss魂の系譜に連なる曲ではあるんだけど、ウォータリングキスミントの呪縛から解き放たれたことにより*3、まともにかっこよくなってしまった。ダサかっこいいトンチキ成分はタイアップ先に吸収された節がある。
年度末リリースのシングルは、歌番組で見る機会が多い。披露するたび尺が違ったけど、Aメロを歌う場合は一貫して2番を採用してましたね。1番にあって2番にはないメロディーライン(帆をあげて~のところ)がかっこいいのと、わたしは北山担なので*4、ちょっぴり残念ではあった。でも藤ヶ谷くんのタイアップだから、彼が目立つに越したことないと思う。去年のAAOと最君で玉森くんが目立たないのもったいなかったもん。
藤ヶ谷くんといえば冒頭のリフトが、この腐敗した世界に堕とされたゴッドチャイルド*5感あって大好きです。こういうのが似合うのはこの人しかいない。

5th album『I SCREAM』(2016.6.22)

I SCREAM(2CD)(通常盤)

I SCREAM(2CD)(通常盤)

ひとつひとつの楽曲の振り幅と、アルバム全体を通じた「夏の一日」というコンセプトを両立しているのがすごい。トラックはもちろん、ボーカルにもメンバーそれぞれの成長と挑戦を感じる。従来の歌割からの脱却しかり、ラップやファルセットの多用といった技術面しかり。
決して一足飛びでこうなったわけではない。これまでの延長線上に、このアルバムがある。一例を挙げれば『Flamingo』の歌割、二階堂くんのラップと千賀くんのフェイクは昨年の二人のユニット曲『Double Up』の賜物だと感じたし、その昨年のユニット4組は、一昨年の北山&藤ヶ谷の『FIRE!!!』の成功がなければおそらく生まれなかった。そうやってひとつずつ階段を上ってきたのだ。ソロもユニットも、全てはグループ本体の活動へと還元されていく。しばしばメンバーの語るその構図が、口先だけでなく作品として示されているのが頼もしい。
その『Flamingo』には、NEWSの『Greedier』のような、あるいはキスマイの曲でいうと『Tell me why』みたいな、やや背伸びした印象を抱いていたので、ライブではそれらの曲と同じように大人っぽくスタンドマイク芸かな~と想像していたら、その亜種というか進化形というか。鳥籠サイコーでしたありがとうございました!!!! エッチだった……。アルバムにおいてもライブにおいても、この曲は傑出した出来だったと思う。新しかった。2015年までのキスマイにはおそらく出せなかった色だ。
リード曲である『YES! I SCREAM』は、何かというと世界を敵に回してばかりいたwキスマイが、正攻法でこの世界のチャンピオンを掴もうとしていることを高らかに宣言したアンセムではないだろうか。ポップでメジャーっていうのは、実はカウンターよりも茨道なのかもしれないけど、彼らはきっと逃げない。このパレードについていけば、新たな地平で見たことのない景色が見られるに違いない、との思いを新たにした曲でした。
『I Scream Night』については、キスマイ楽曲大賞に寄せたこのコメントにだいたいの思いは込めた*6
少クラとCDTVでも披露してくれたけど、テレビでは熱気が伝わりにくい曲。ライブの演出ありきという意味ではない。たとえキスマイジェットがなくてもアンコールじゃなくても、楽曲そのものに祝祭の興奮、真夏の残滓、きらめきやせつなさやノスタルジーはしっかり詰まっている。ただ、最も盛り上がる箇所がインストで横一列という、ボーカルやダンスフォーメーションに頼らない作りなので、テレビ映えはあんまりしないなあ。
このアルバムの構成の妙は、前述の通り1枚で「夏の一日」を表現しているところと、もうひとつは、『Re:』でしっとり終わらない、『I Scream Night』でやだやだ終わりたくない〜って駄々こねた挙句に『WANTED』*7でもうひと騒ぎするところ。『Re:』にしても、「メンバー全員の共同作詞で、主に自身のアイデアが反映された箇所を、ペアで歌う」「ファンへのメッセージであると同時に、メンバーへのメッセージでもある」という仕立てだから、アルバムやライブの終盤のメッセージ系バラードに退屈しがちな客層も、比較的コミットしやすかったんじゃないかと思う。
3rdアルバムの時にソロ曲やユニット曲は別CDにしてくれって言ったんですが、ようやく叶いました。ありがとうエイベックス。ツアーが始まるまではソロ7曲もあってセットリストどうすんだよって思ってたし、始まってからも7人曲が少ないのはちょっと物足りなかったけど、危惧していたような間延びした感じはなくうまいこと組まれていて、7人7様の見せ方と観客の巻き込み方があって、よく考えたらこいつら結構すごいことやってるな……!?と驚いたよ。てんでばらばらの個性が集ってこそ、キスマイのキスマイらしさは生まれる。
ソロを聴くなら4cups盤ですが、デビュー前から知ってるけど最近キスマイどんなんやってんの?というジャニオタには通常盤をおすすめします。ボーナストラック込みでよくまとまってて、2枚目には過去曲のメドレーもついてるので。公式サイトで試聴もできるよ!


17th single『Sha la la☆Summer Time』(2016.8.24)

Sha la la☆Summer Time(通常盤)

Sha la la☆Summer Time(通常盤)

待望のローラーを履くシングル。待った……マジで待った……。『運命Girl』から3年半待った……。曲調もさわやかアイドルソングで、なんというか原点回帰を感じた。
原点回帰といえば、CDを買うことの意義をいま一度考えさせられたという点もそうね。レーベルとショップとファンの共同作業みたいなところもあった。avexのスタッフブログにしろ、ジャニーズwebのメンバー連載にしろ、CDの購入をああも直截な表現で感謝されたのは、デビュー曲を除けばひょっとすると初めてだったんじゃないだろうか。
円形の狭いセンターステージの上でくるくると回る7人に、白い羽根と銀テープが降り注ぐ光景は、まるで夢のように美しかった。ライブDVD、初導入のウィングカムが超いい仕事してる。
そしてユニット曲が初めて(アルバム曲ではなく)シングルのカップリングとしてリリースされた。次のツアーかどっかで披露してくれるのかなあ、スナックSHOW和なんかどう考えても寸劇込みで見たいやつだろw シャッフルユニットはキスマイの武器のひとつとして今後も展開していくのかな、という気配を感じる。



個々の大きな仕事は落ち着いていたし、シングルも少なかったけど、楽曲には恵まれた2016年だったように思う。わたしは強いて言うなら1stアルバム出の新規なので、「CDを発売して音楽番組やライブで歌って踊るアーティストとしてのキスマイ」を何よりも信頼しています。2017年、まずはトリプルA面シングル楽しみっすね(`・ω・´)

*1:以降、YES! I SCREAMとシャララ~のMVも新宮さんが担当。キスマイのMVはデビュー以来Brand New Worldまでずっと同じ監督さんだったけど、AAOから替わっている

*2:Kiss魂の振付もシットキングスだもんね

*3:2015年までは毎年この時期にCMタイアップがあった

*4:1Aが北山ソロ、2Aが藤ヶ谷ソロ

*5:鬼束ちひろ『月光』

*6:他にKiss魂とThank youじゃん!のコメントもツイッターで紹介してもらってました。あざっす!

*7:通常盤のみ収録のボーナストラック