ミノとハラミ

もろもろ忘れがちなオタクがのちのち己を振り返るために悪あがきでつけている備忘録

Kis-My-Ft2 LIVE TOUR 2017 MUSIC COLOSSEUM 新潟・静岡雑感

新潟初日と2日目昼、そして静岡2日目の昼夜、計4公演を観てきました。
実に4年ぶりのアリーナツアーです。前回13年の『Goodいくぜ!』がわたし(と近しい友人)には全然グーッとこなくて、わたしらだけかと思いきや、冬に仕切り直しのドームライブが行われて映像作品としてはそっちがメインで残ったので(アリーナのほうはダイジェストが同梱)、あっ多数派だったのかな……と察した。
翌14年以降は4大ドームツアーになると同時に、メンバーによるセルフプロデュースが始まる。1年目は3日間だった東京ドームが2年目には4日間に、埋まりにくかったナゴヤドームが3年目には満員御礼と、着実に成長を重ねてきました。で、デビュー5周年を経て、ここで再びのアリーナ。
初めに断っておくと、わたしはドームコンサートが好きです。キスマイは特に、この3年で派手な特効やフライングや舞台装置を次々に披露しては自分たちのツアーの目玉にしてきたし、何よりも彼らの武器であるローラースケートが、会場の広さを感じさせない、テンポよく疾走感のあるライブを実現してくれるおかげで、ジャニーズ随一の「ドームが似合うグループ」になりつつあると思っている。ファンの規模さえ追いつけば、どんどん大きな会場でやってほしい。


……くらいのことは思っていたので、そもそもアリーナツアーである時点で、期待値のハードルをガッシャーンと下げて臨んだ今年の初日だった。何しろスタンドのない朱鷺メッセは埋もれ必至。あらかじめそういうものだと割り切っていた分、埋もれようが柱が邪魔だろうが自担が見えなかろうが、結果的にストレスはさほど感じませんでした*1。むしろ、ドーム派のわたしでもアリーナコンにはアリーナコンの楽しみ方があると実感できる、いい構成だったと思う。「常に全てがよく見える席」なんてないけど、それでもなるべく公平に見せ場を提供しようという配慮が感じられた。久々の小さなハコでファンとの一体感を重視しながらも、大きなハコで磨いてきたショウアップへの挑戦を決して捨てていないところが嬉しかったな。ただ、アリーナってドームに比べて会場の形状にばらつきがあるので、ツアーを通じて常に空間をうまく使うのって難しいんだろうな……。少なくとも朱鷺メッセは360°ステージに向いたハコじゃなくて、それが初日っていうのはやりにくそうだった。
あとは前回のアリーナでグーッとこなかったの、主にシングルの使い方が雑だったり曲と衣装がちぐはぐだったりで誰の意志も感じられなかった点なんだけど(コンサートにしろCDにしろ、作る体制が今と比べてお仕着せだったんだろうな……)、そこが大幅に改善されていたのも嬉しかった。「アルバムの取材で、コンサートもアルバム通りの曲順がいいんじゃないかとよく言われた」とツアーのパンフレットで話していたけど、比較的それに近いセットリストだったように思う。順序そのものというより、似たテイストの曲を固めてセクションを作っていく構成が。ツアーのほうは新曲で作った骨組みに既存曲をうまいこと肉付けしていった感じ。過去のドームツアーの中では、明確にセクションが分かれていた初年の『Kis-My-Journey』が最も近い作りじゃないだろうか。セットリストは後述。

その『Kis-My-Journey』から始まったメンバーによるセルフプロデュースは、基本的に分業制だった。振付はダンスの得意な千賀くんが主導、大喜利の構成は宮田くんが考えて、衣装は玉森くん・藤ヶ谷くん・横尾さんが中心。16年の『I SCREAM』は藤ヶ谷くんが忙しかったのだろう、衣装を主に玉森くんが担当し、横尾さんはツアーグッズのほうに多くのアイデアを出してくれたようだった(グッズも年々よくなってるよね)。そして、コンサート全体の演出を担ってきたのは北山くんと二階堂くん。年によって進め方に差はあったみたいだけど(14年は二人が作ったベースに他のメンバーが意見を加え、一方15年の『KIS-MY-WORLD』は二人のアイデアほぼそのままゴー、みたいな話をしていた気がする*2)、北山担のわたしにとっては、自担が年々プロデューサーというかプレイングマネジャーの顔つきになっていくのを見守る3年間でもあった。
翻って今年のコンサートは「全員で考えた」のだという。7人もいて「全員で考える」というのは、きれいごとのように聞こえなくもないし、単純に作業効率が心配にもなる。でも、今回はアルバムの構成からしてそこにこだわっている印象があった。RO69のアルバムレビューにもこんなくだりがありました*3

基本の14曲に加え、通常盤にのみボーナストラック“Baby Love”、及び北山、藤ヶ谷、玉森のソロ曲が追加されている。しかし、前作『I SCREAM』では7人全員のソロ曲があったのと比較しても今回はソロ曲の印象がかなり薄いし、ユニット曲が本編に1曲も収録されていないのも特徴だ。つまり、『MUSIC COLOSSEUM』は7人を「分散」させる方向の楽曲は意図的に排除されている印象なのだ。その代わり本作で特筆すべきは、7人がそれぞれ1曲づつ、プロデューサーとして選曲、歌詞、アレンジ、歌割まで全面参加した点だ。しかも彼らのプロデュースは個々のキャラクターや特徴を生かして差別化を図るのではなく、「キスマイとは」という命題に向けて7人が互いの個性をすり合わせ、答え合わせしていく、言わば「集約」、「結束」型の仕事になっているのが本作の強みだ。

http://ro69.jp/news/detail/160170

実際、通常盤のみ収録の4曲はコンサートでも歌われず(キスマイがアルバムツアーで該当アルバムの収録曲をセットリストから外すことは非常に珍しい。これまではボーナストラックも例外ではなかった)、『Sha la la☆Summer Time』収録のユニット曲もいまだ封印されたまま、舞祭組すら2公演目以降はカットされたので*4、ソロもユニットもなく、7人がほとんど出ずっぱり。だからステージ上での着替えを演出に組み込んだり、あるいは堂々と「今から着替えます」と言って順番に捌けたりするはめになるんだけどw、キスマイって他のグループに比べてそういう隙間が少なかったんだな、と改めて気づかされた。キスマイのコンサートは場面転換が速い。ソロ曲やユニット曲の採用にプラスして、ローラースケートをうまく使えば、「移動するため(だけ)の時間」が最小限で済む。
ドームの花道を爆速で突っ切っていくのが近年のキスマイらしさだったけど、今年はせっかく距離が近いんだからなるべく丁寧に回ろう、どの席でも何かしらの楽しみが得られるようにしよう、というメンバーの意思がそこかしこに感じられた。加えて前述の引用にもあるように、7人の強い個性をバラバラに見せるよりも、それらをすりあわせ結束してキスマイというグループを表現するアルバムとツアーになっていると思う。

今年こうなったのは必然じゃないかなあ。何度か書いたことあるけど、14年にまずは藤北が『FIRE!!!』で成功を収めた後、翌15年には全員が2人組のユニットを組んでセルフプロデュースして、さらに16年は全員がソロ曲を制作して……と、段階を踏んでメンバー個々の魅力、個性の違いを強くアピールしてきたのがドームツアーの3年間だった。昨年の『I SCREAM』はその完成形だ。折しもデビュー5周年、2016年の夏に、キスマイのライブ活動はおそらくひとつの区切りを迎えたのだと思う。舞祭組の誕生が2013年の暮れだったことを考えても、メンバー間の格差を一度オープンにしてみせてから、7人の粒の大きさを揃えていく期間だったのかなあと、今となってはそんな気がする。
実はキスマイの初日を迎えるちょうど1週間前、セクゾンのコンサートを久し振りに観て、ああようやく5人組になったんだ、バランスのとれた美しい5人組のコンサートだってしみじみ感じたんだけど、今年のキスマイからも、7人組というフォーメーションの美しさ、共同体としてのたくましさをひしひしと感じました。

つーわけでコンサート自体は予想以上に面白かったんですが、MCはそろそろどうにかしてくれよって憤ってるポイントがあるので追って別の記事で書く。続きではセトリに沿った話を少しだけ。

以下は静岡で観たセットリスト。

  • Overture ~Music Colosseum~
  • EXPLODE
  • Tonight
  • FIRE BEAT
  • Bang! Bang! BURN!

賛否両論を経てOvertureに歌唱を入れたことが今作のテーマともなっている「攻め」である、とあれだけ話しておきながら歌わないんかーい。歌えや。しかし序盤から畳みかけるようなこの熱量、初日は思わず「あたまがおかしい……」とつぶやいてしまった。褒めています。コロシアムのイメージに合わせて、Jr.の衣装も中世っぽくてかっこいい。

  • VersuS

和の兄組vs洋の弟組。曲を聴けば演出の想像がつく曲だけど、そのまんま具現化してくれてありがとうな……。大好き。こういうの、Jr.時代のキスマイが得意にしていたイメージがある。ドラマの撮影中でリハに時間を割けない藤ヶ谷くんと玉森くんの負担を減らした結果だと思うけど*5、普段あまりお目にかかることのない北山横尾のシンメがドツボでした。ニカちゃんのスラップもたまらん。

ワナビーも運命Girlも定番曲で、新しいアイデアもなく漫然とやるだけならもうやらんでええわいと思っていたシングルの代表だったので、この演出は嬉しかった。

  • SEVEN WISHES
  • AAO
  • キスしちゃうぞ
  • いいね!

みんなでワイワイキャッキャしようぜのターン。強いて言えば『AAO』(およびアンコールの『Thank youじゃん!』)の使い方が凝り固まってきたな……と感じるけど、多分これ順序が逆なんだよな。この曲を持っているからこの振る舞いができる。『いいね!』や『レッツゴー!!』みたいな曲が増えたことで、今後は既存曲の役割も変わっていくのかもしれません。

  • (MC)
  • PICK IT UP

新曲披露。MV衣装でオリジナルのダンスをすることに価値があるのも、前後ゆるいMCで挟んで許されるのも発売前までだろうから、6月の広島以降はこのへん構成変わりそうですね。Journeyの時のアナフュみたいな感じで。

  • (ボクらのミュージックコロシアム)
  • レッツゴー!!

我々はいま何を見せられているのか……。パラレルワールドが混線してるのを(スナックSHOW和の横さんと料理男子ワッターは別人なのか? 森玉くんとたまっちの関係は? 等々)ごまかすつもりもないしゲームやっといて勝敗よくわかんないし、そもそも何も面白いことしなくても絵面だけで充分おかしい。レッゴーはテロップの英字がちゃんとLEGOっぽいフォントでかわいい。手をつなぐ振りが2日目以降なくなったのにはがっかりだぜ。

ラブソングのターン。すっかりアンコール要員になっていたキミキセが、ここへきて復活。

「コンサートの演出はみなさんの予想を裏切ると思う」とパンフで北山くんが話していた『One Kiss』、本当にびっくりした。同時に、こういうあっと驚くような仕掛けを披露するキスマイがアリーナでも健在で嬉しかった。一方で、いつか忘れかけた頃に新しく振りをつけてステップ踏んで踊ってほしいな~とも思う。トラジャの見せ場を挟み、ジオメトリックなダンスパフォーマンスから『Gravity』への繋ぎも自然でかっこいい。

  • 全力ファイター
  • Everybody Go

『全力ファイター』の玉森くんのソロが好きでなあ……。激しい曲調の中で唯一優しげなこのパートを担うのはやっぱりこの人しかいないと思う。あと、「玉森くんに歌わせたい歌詞」っていうのがあるよね。たとえば『光のシグナル』の「前へ前へ 手を伸ばせば/光のシグナル/見つけ出せるはず」、『Seven Journey』の「街を出るのは怖いけど/馴染みの仲間も好きだけど」、『レッツゴー!!』の「迷い路 立ちすくむ こんな僕も/全てをかけて 守りたいと 思えることがある」、そして『全力ファイター』の「Only 君を見てる Glory いつだって/その背中 横顔 眼差しを」。自らを奮い立たせて一歩を踏み出すような、少年から大人になるような、少女を守るヒーローのような。単純に歌もうまくなったなー。もともと丁寧に歌う人だけど、高音に安定感が出てきた。

  • Dream on
  • Thank youじゃん!

『Dream on』は、一旦は引っ込んだキスマイをファンが声を上げて呼び込むという仕掛け。うっかりするとしらけたりしんみりしたりしがちなアンコール曲だけど、これ壮大なロックナンバーなんだよね。おかげですっきり終われる。あと、藤北厨の贔屓目だけど、この曲での振る舞いを見て、ああやっぱりこの人たちボーカルという生き物なんだなあと思った。キスマイのボーカルが誰かっていう話じゃなくて、彼ら自身のエンターテイナーとしての特性の話。踊ったり喋ったりローラー履いたりなんだり全部ひっくるめてパフォーマンスとするのがアイドルだけど、一方で藤北は「歌う」ことに結構な比重を置いて、歌う時の声や表情や仕草でもって表現するということをずっとやってきた人たちでもあるんだなーと。360°ステージで、外側を向いて回りながら視線の先のファンと繋がろうとシンプルに歌うだけの曲だから、その側面が際立って感じられた。ロックフェスでバンドのボーカル見てる時の感覚を思い起こさせる。

ツアーパンフ見てると『Baby Love』の演出の話なんかもちらほら出てて(藤ヶ谷くんなんか「演出ありき」とまで言っている)、やらないんかーいって話なんだけどw 北藤玉のソロも込みで年内に披露する機会を設けてくれるんじゃないかな、そしたら『Touch』『70億分の2』あたりも込みでやってくんないかなーと勝手に期待しています。少なくとも東京ドームはやると思う、デビュー以来やらなかった年がないから(確か連続記録になってたような)。
ここまで書いた今、札幌公演のレポートがちらほら聞こえてきていて、また構成変わったんかい!!!!って崩れ落ちたけどw、わたしは8月の横浜までお留守番です。アリーナツアーってなげえな~。早くブルーレイで見たい。

*1:複数回入るから言えることではある。そしてやっぱり最もノーストレスだったのはアリーナ席ではなく、静岡エコパのスタンド前列

*2:15年はツアーの準備にかけられる時間が極端に少なかった印象。案の定、初日はいつにも増してゲネプロだった

*3:そもそもアルバムのレビュー記事を書いてもらえたのが久々だと思う。粉川さんありがとう……

*4:かなり大きな決断だったと思う。結成以降、彼らはキスマイのツアーにおいて唯一無二の存在感を放ってきたし、『道しるべ』はまだコンサートで披露したことのない今年の新曲だった

*5:Gravity前のパフォーマンスなんかもそうですね。他のメンバーに比べると、単独で練習できるような振りになってる