ミノとハラミ

もろもろ忘れがちなオタクがのちのち己を振り返るために悪あがきでつけている備忘録

現場まとめ2017

ALTAR BOYZ
メサイア -暁乃刻-
THE CONVOY SHOW vol.32 asiapan
ジャニーズJr.祭り
ジャニーズ大運動会 2017
  • 4/16(日)13:00 東京ドーム
Sexy Zone presents Sexy Tour 2017 ~ STAGE
Kis-My-Ft2 LIVE TOUR 2017 MUSIC COLOSSEUM
あんちゃん
CLIE Summer Festival 2017
  • 7/5(水)19:45 Club SLAZY トークイベント シアターGロッソ
A.B.C-Z 5Stars 5Years Tour
YK FES 2017
関ジャニ's エイターテインメント ジャム
  • 8/15(火)18:30 東京ドーム
Summer Paradise 2017
  • 8/24(木)17:00 橋本ソロ充観とく? ~りょうちゃんと ぱ☆り☆ぴ☆~ TOKYO DOME CITY HALL
メサイア -悠久乃刻-
JOHNNY'S YOU&ME IsLAND
  • 9/9(土)12:00 帝国劇場
Love-tune Live 2017
Club SLAZY Extra invitation ~Malachite~ 386勤労感謝祭
  • 10/31(火)10:30 vol.1 ユーロライブ
何者
メサイア -TALK MISSION '17-
  • 12/16(土)13:00 ニッショーホール
  • 12/16(土)15:30 ニッショーホール
ジャニーズカウントダウン 2017-2018
  • 12/31(日)23:00 東京ドーム


「1回くらい観ておきたい」「観ておいたほうがいい気がする」という、経験値を上げたいだけだったり義務感が働いていたりする現場は極力切り捨てて、公演数を意識的にセーブした2017年でした。予算を理由にあきらめることはしたくないけど、ぶっちゃけ薄給の身で分不相応なチケットの取り方もしたくないので、来年も絶対に観ると決めたものに集中したい。そしてもうちょっと減らしたい……。
後悔してるのはアルターのLEGACY公演に行かなかったことと、メサイア暁を1回しか観なかったことです。ライブ初日厨のキスマイ担ラブ推しなので、キスマイとはしパラとラブZeppの各初日を無事に自力でとれたのは嬉しかった。ラブトゥーンのクリエは訳あって手放してしまい、キントレと湾岸はかすりもしなかったんですが、自分の行かなかった公演のことは忘れられる都合のいい脳なので、ラブがらみはあんまりひきずってません。Zeppだけでもお釣りがくる。10/18が今年のベストステージでした。
あんちゃんの初日に入れたのはたまたまですが(芝居の初日にはさほどこだわりがない)、開場前にロビーでぼんやりしていたら係のお姉さんに入場列の先頭へ誘導されてしまい、トップバッターで足を踏み入れるはめになりました。誰もいない客席から見た細やかなセット、あの景色はしばらく忘れられそうにない。初のストレートプレイ、初の単独主演おめでとうございました。いまさら書く感想もないのですが(やっぱり都度メモしておかないとだめだ……)、とてもよかった。
キスマイのアリーナツアーは平日と遠方を避けたらこうなった。追加でドーム公演があると思い込んでたから消化不良だけど、行きたいところは行けました。むしろ行き過ぎたかなと思っているくらい。いずれキスマイが札幌ドームにチャレンジする時が来たら万難を排して飛ぶ。
今年いちばん多く観た人は森田美勇人くんでした。トラジャとしてキスマイについていた分、他のラブトゥーンメンバーより少し多かった。2017年もよく働いたねみゅーさん……。
2018年の現場は元日のジャニアイから始まります。カウコンからの帝劇って初めてなので楽しみ。いま思いっきり風邪ひいてるので気合いで治す。

キスマイのトークでずっとムカついていることがある

っていう話をします。


これは今年の静岡公演で男性ファンに対して「同性愛ってこと!?」と言って笑いをとろうとしていた件を受けてのツイートだけど、別に今に始まったことではない。キスマイ担に、北山担になってからずっと引っかかってるし、ずっと怒ってるしずっと失望してる。

男性ファン=同性愛に直結する思考回路の単純さがまずおめでたいし(同性愛とは限りません)、もし冗談のつもりで口にしているならセンスがクソオブクソだから今すぐ改めてほしい(同性愛だったら何か悪いことでもあるんですか?)。
ジャニーズの男性アイドルが、基本的にヘテロの文脈で女性を相手に仕事をしていることは承知しています。それでも、男性アイドルを相手に疑似恋愛している男性ファンがいたっていいし、逆に恋愛感情を抜きに男性アイドルを応援している女性ファンがいたっていい*1。もちろん、恋愛感情を抜きに男性アイドルを応援している男性ファンがいても当然のことです。それらの姿勢や態度はファンに許された自由です。だいたい、疑似恋愛だけを想定していたら、君たちアイドルの大好きな「ママに連れてこられたちびっこ」や「孫をかわいがるような目で見てくれるおばあちゃん」はどうなるの?
……というようなことを言うと、「いやいや屁理屈でしょ、いろんなファンがいることはわかってるけど、全てを例示して個別対応なんてしてられませんから」と返ってくるかもしれません。もちろん、一度に大勢の人間とコミュニケーションを取るにあたって、目に見える相手の属性を根拠にある程度カテゴライズして、集合体と見なして対処せざるを得ない場面があるのはわかります。ファンのほうだってそれを承知で、アイドルの望むファン像を演じるくらいのことはできます。でも、そういうふうにざっくりまとめて貼るにはふさわしくないレッテルだってある。他人のセクシュアリティを決めてかかることも、それを嘲笑することも、ステージの上でやっていいはずがない。前述の通り、男性ファンがみんな同性愛者だと本気で思ってるならあまりにもおめでたいし、逆にそんなわけがないと決め込んで冗談のつもりで口にしているならなおさら悪い、ギャグセンスもコモンセンスもない。どの口が国民的アイドルになりたいなんて言うんだよ。

わたしは確かにアイドルのことが大好きだけど、わたしとアイドルの関わり方を、アイドルの側から一方的に決めてもらいたくはありません。ジェンダーセクシュアリティ、その他あらゆる属性にかかわらず、ファン一人ひとりにアイドルとの関わり方、向き合い方がある。それらを尊重してほしい。会場に1人のアイドルと1万人のファンがいたら、そこには1対1万の関係じゃなく、1対1の関係が1万通り存在するんです。実際に1万通りの対応をしろって言ってるんじゃない。ただ、リア恋タイプに見える女の子のファンに甘いセリフを囁く時も、いかにも連れてこられたお父さん風の男性をイジる時も、常にそのことを頭の片隅に置いておいてほしいだけ。

ホモフォビア的な発言は特に、比較的声の大きな北山くん二階堂くん千賀くんあたりが無頓着に垂れ流しがちで*2、たまにやんわりフォローを(彼らに対してではなく場をとりなす方向で)入れてくれるのが宮田くんなんですが、宮田くんでも他の子でも、気づいているメンバーがいるならもっと強く出ていい、出るべきだと思う。
宮田くんは以前Myojoの1万字インタビュー*3で、「キスマイの笑いは誰かを傷つけている。それはキスマイの弱点かもしれない。だから最近は意識している」という趣旨のことを話していた*4。彼はキスマイの笑いのために自身がイジられる役割を担ってきたし、あとはオタクカルチャーの中にいると、ジェンダーセクシュアリティの問題にも必ず出くわすと思うんだよね。だからキスマイの笑いの持つ攻撃性に最も敏感なんだろうけど、一方で「平和主義者で争いごとは嫌い。ぶつかりあうのはイヤ。揉めたり喧嘩したりして生まれるものもあるのかもしれないけど、お互いがそんな気持ちになるのは悲しいだけだから、『それってどうなの?』『こうすべき』と攻めていくようなことはしたくない*5」人でもあるわけです。でもさあ、君らが内輪で揉めて傷つくことより、君らが何万人を傷つけるかもしれないことのほうがよっぽどおおごとだよ。キスマイってそういう立場じゃないですか既に。外から言われる前に、内から変わってほしいなあ。

わたしが(おそらく)人並み以上にムカついているのは、わたしが北山担だからです。よりにもよって、MCであり最年長であり、グループのスポークスマンの役割を務めることも多い彼が、この点において最も軽率だから。昭和の男と呼ばれて久しい北山くんだけど、彼が早急に平成へアップデートしなければならないものがあるとすれば、唯一このへんの感覚だと思う。メンバーのいる場ならまだいいよ。でも北山くんは、一人で外へ出ていって喋りたい人、それどころか、あらゆるバックボーンを持つ人々からトークを引き出す立場になりたい人なんでしょう? 外じゃ誰もフォローしてくれないよ。
他者を軽率に揶揄すること、あるいは執拗に攻撃することで笑いをとろうとする姿勢は、他の美点でカバーできる欠点だとはわたしは思わない。「短所も裏を返せば長所」みたいな類のものじゃなく、わたしにとっては絶対的に嫌悪と軽蔑の対象で、だけどわたしは北山くんという人そのもののことは天地がひっくり返っても憎めないので、アンビバレンツでずっとしんどい。いつか彼から降りる日が来るとすれば、多分このへんがトリガーだと思っています。やだやだ降りたくない、わたしはあなたを尊敬していたいんだよ。頼むからこれ以上がっかりさせないでくれ。

*1:セクシュアリティにかかわらず。恋愛対象が男性であっても、男性アイドルをそういうつもりで見ていない人はいくらでもいるでしょう

*2:キスマイが千賀くんにオネエキャラをやらせようとしているのが、この問題を一層めんどくさくしている……

*3:2016年8月号

*4:ジャニーズWESTの淳太くんと二人で食事をした際に、彼が「誰も傷つけない笑いをとらなきゃダメだと思ってる」と話すのを聞いて気づいたとのこと

*5:今年のツアーパンフレットより要約

Kis-My-Ft2 LIVE TOUR 2017 MUSIC COLOSSEUM 新潟・静岡雑感

新潟初日と2日目昼、そして静岡2日目の昼夜、計4公演を観てきました。
実に4年ぶりのアリーナツアーです。前回13年の『Goodいくぜ!』がわたし(と近しい友人)には全然グーッとこなくて、わたしらだけかと思いきや、冬に仕切り直しのドームライブが行われて映像作品としてはそっちがメインで残ったので(アリーナのほうはダイジェストが同梱)、あっ多数派だったのかな……と察した。
翌14年以降は4大ドームツアーになると同時に、メンバーによるセルフプロデュースが始まる。1年目は3日間だった東京ドームが2年目には4日間に、埋まりにくかったナゴヤドームが3年目には満員御礼と、着実に成長を重ねてきました。で、デビュー5周年を経て、ここで再びのアリーナ。
初めに断っておくと、わたしはドームコンサートが好きです。キスマイは特に、この3年で派手な特効やフライングや舞台装置を次々に披露しては自分たちのツアーの目玉にしてきたし、何よりも彼らの武器であるローラースケートが、会場の広さを感じさせない、テンポよく疾走感のあるライブを実現してくれるおかげで、ジャニーズ随一の「ドームが似合うグループ」になりつつあると思っている。ファンの規模さえ追いつけば、どんどん大きな会場でやってほしい。


……くらいのことは思っていたので、そもそもアリーナツアーである時点で、期待値のハードルをガッシャーンと下げて臨んだ今年の初日だった。客席からの見やすさという点でも、何しろスタンドのない朱鷺メッセは埋もれ必至。あらかじめそういうものだと割り切っていた分、埋もれようが柱が邪魔だろうが自担が見えなかろうが、結果的にストレスはさほど感じませんでした*1。むしろ、ドーム派のわたしでもアリーナコンにはアリーナコンの楽しみ方があると実感できる、いい構成だったと思う。「常に全てがよく見える席」なんてないけど、それでもなるべく公平に見せ場を提供しようという配慮が感じられた。久々の小さなハコでファンとの一体感を重視しながらも、大きなハコで磨いてきたショウアップへの挑戦を決して捨てていないところが嬉しかったな。ただ、アリーナってドームに比べて会場の形状にばらつきがあるので、ツアーを通じて常に空間をうまく使うのって難しいんだろうな……。少なくとも朱鷺メッセは360°ステージに向いたハコじゃなくて、それが初日っていうのはやりにくそうだった。
あとは前回のアリーナでグーッとこなかったの、主にシングルの使い方が雑だったり曲と衣装がちぐはぐだったりで誰の意志も感じられなかった点なんだけど(コンサートにしろCDにしろ、作る体制が今と比べてお仕着せだったんだろうな……)、そこが大幅に改善されていたのも嬉しかった。「アルバムの取材で、コンサートもアルバム通りの曲順がいいんじゃないかとよく言われた」とツアーのパンフレットで話していたけど、比較的それに近いセットリストだったように思う。順序そのものというより、似たテイストの曲を固めてセクションを作っていく構成が。ツアーのほうは新曲で作った骨組みに既存曲をうまいこと肉付けしていった感じ。過去のドームツアーの中では、明確にセクションが分かれていた初年の『Kis-My-Journey』が最も近い作りじゃないだろうか。セットリストは後述。

その『Kis-My-Journey』から始まったメンバーによるセルフプロデュースは、基本的に分業制だった。振付はダンスの得意な千賀くんが主導、大喜利の構成は宮田くんが考えて、衣装は玉森くん・藤ヶ谷くん・横尾さんが中心。16年の『I SCREAM』は藤ヶ谷くんが忙しかったのだろう、衣装を主に玉森くんが担当し、横尾さんはツアーグッズのほうに多くのアイデアを出してくれたようだった(グッズも年々よくなってるよね)。そして、コンサート全体の演出を担ってきたのは北山くんと二階堂くん。年によって進め方に差はあったみたいだけど(14年は二人が作ったベースに他のメンバーが意見を加え、一方15年の『KIS-MY-WORLD』は二人のアイデアほぼそのままゴー、みたいな話をしていた気がする*2)、北山担のわたしにとっては、自担が年々プロデューサーというかプレイングマネジャーの顔つきになっていくのを見守る3年間でもあった。
翻って今年のコンサートは「全員で考えた」のだという。7人もいて「全員で考える」というのは、きれいごとのように聞こえなくもないし、単純に作業効率が心配にもなる。でも、今回はアルバムの構成からしてそこにこだわっている印象があった。RO69のアルバムレビューにもこんなくだりがありました*3

基本の14曲に加え、通常盤にのみボーナストラック“Baby Love”、及び北山、藤ヶ谷、玉森のソロ曲が追加されている。しかし、前作『I SCREAM』では7人全員のソロ曲があったのと比較しても今回はソロ曲の印象がかなり薄いし、ユニット曲が本編に1曲も収録されていないのも特徴だ。つまり、『MUSIC COLOSSEUM』は7人を「分散」させる方向の楽曲は意図的に排除されている印象なのだ。その代わり本作で特筆すべきは、7人がそれぞれ1曲づつ、プロデューサーとして選曲、歌詞、アレンジ、歌割まで全面参加した点だ。しかも彼らのプロデュースは個々のキャラクターや特徴を生かして差別化を図るのではなく、「キスマイとは」という命題に向けて7人が互いの個性をすり合わせ、答え合わせしていく、言わば「集約」、「結束」型の仕事になっているのが本作の強みだ。

http://ro69.jp/news/detail/160170

実際、通常盤のみ収録の4曲はコンサートでも歌われず(キスマイがアルバムツアーで該当アルバムの収録曲をセットリストから外すことは非常に珍しい。これまではボーナストラックも例外ではなかった)、『Sha la la☆Summer Time』収録のユニット曲もいまだ封印されたまま、舞祭組すら2公演目以降はカットされたので*4、ソロもユニットもなく、7人がほとんど出ずっぱり。だからステージ上での着替えを演出に組み込んだり、あるいは堂々と「今から着替えます」と言って順番に捌けたりするはめになるんだけどw、キスマイって他のグループに比べてそういう隙間が少なかったんだな、と改めて気づかされた。キスマイのコンサートは場面転換が速い。ソロ曲やユニット曲の採用にプラスして、ローラースケートをうまく使えば、「移動するため(だけ)の時間」が最小限で済む。
ドームの花道を爆速で突っ切っていくのが近年のキスマイらしさだったけど、今年はせっかく距離が近いんだからなるべく丁寧に回ろう、どの席でも何かしらの楽しみが得られるようにしよう、というメンバーの意思がそこかしこに感じられた。加えて前述の引用にもあるように、7人の強い個性をバラバラに見せるよりも、それらをすりあわせ結束してキスマイというグループを表現するアルバムとツアーになっていると思う。

今年こうなったのは必然じゃないかなあ。何度か書いたことあるけど、14年にまずは藤北が『FIRE!!!』で成功を収めた後、翌15年には全員が2人組のユニットを組んでセルフプロデュースして、さらに16年は全員がソロ曲を制作して……と、段階を踏んでメンバー個々の魅力、個性の違いを強くアピールしてきたのがドームツアーの3年間だった。昨年の『I SCREAM』はその完成形だ。折しもデビュー5周年、2016年の夏に、キスマイのライブ活動はおそらくひとつの区切りを迎えたのだと思う。舞祭組の誕生が2013年の暮れだったことを考えても、メンバー間の格差を一度オープンにしてみせてから、7人の粒の大きさを揃えていく期間だったのかなあと、今となってはそんな気がする。
実はキスマイの初日を迎えるちょうど1週間前、セクゾンのコンサートを久し振りに観て、ああようやく5人組になったんだ、バランスのとれた美しい5人組のコンサートだってしみじみ感じたんだけど、今年のキスマイからも、7人組というフォーメーションの美しさ、共同体としてのたくましさをひしひしと感じました。

つーわけでコンサート自体は予想以上に面白かったんですが、MCはそろそろどうにかしてくれよって憤ってるポイントがあるので追って別の記事で書く。続きではセトリに沿った話を少しだけ。

*1:複数回入るから言えることではある。そしてやっぱり最もノーストレスだったのはアリーナ席ではなく、静岡エコパのスタンド前列

*2:15年はツアーの準備にかけられる時間が極端に少なかった印象。案の定、初日はいつにも増してゲネプロだった

*3:そもそもアルバムのレビュー記事を書いてもらえたのが久々だと思う。粉川さんありがとう……

*4:かなり大きな決断だったと思う。結成以降、彼らはキスマイのツアーにおいて唯一無二の存在感を放ってきたし、『道しるべ』はまだコンサートで披露したことのない今年の新曲だった

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